一生懸命なヒロイン

 週末、久しぶりに、本当に久しぶりにReiちゃんと会いました。最後に会ってから多分5年以上は経ってる??そんなこともわからなくなるくらい、久しぶりだったの。久々の再会に興奮気味だった私は待ち合わせの恵比寿と、泊まることにした大好きなウエスティンに心浮き立つも、再会を思うと何となく始まったばかりのセールにも集中はできず(でもI君と新しい眼鏡をオーダーしてきました♪)、そしてなぜかちょっぴり緊張・・・。でも以前と変わらずとっても可愛い笑顔のreiちゃんを前にしてからは、全くリラックスしていました。数年ぶりの再会というのに、私の顔がむくんでパンパンだったのは不本意だった。。。涙。(大抵自分で思うほど、相手は気づいていないものですが。たぶん。。)

 小学校の時仲良しだったreiちゃんはおうちのお仕事の関係で途中から海外へ行ってしまい、当時イラン・イラク戦争をしていたバグダッドからのお手紙では「爆発があって、ママと逃げました」みたいなことが書いてあったりして子供心に衝撃的で、中学だっけ??くらいからしばらく日本に帰って来て会った時は、たぶんハーゲンダッツ辺りでの注文が「コーヒー」じゃなくて完璧に「coffee」だったことが妙に感動的でした。途中まで一緒だったのに、何だかreiちゃんはすごいところへ行ってしまったなあ・・・なんて。彼女は昔から本が好きだったけれど今はアメリカで米文学の研究をしていて、さらに大学でクラスまで持っていたりします。きっともっともっと私の知らないreiちゃんはいっぱいあるのでしょうけれど、少なくとも日本人が、アメリカ人に、アメリカ文学を教えるなんて、本当に尊敬に値するでしょう!全然知らないがために、文学って何となく余裕のある人が道楽的にやるもの・・・などという失礼千万な私のイメージをきれいさっぱり取り去って、文学が持つ『力』を教えてくれたのもreiちゃんです。最も、彼女も始めはそこまでのつもりはなかったみたいだけど・・・笑。そして彼女の話は私が普段使っている脳とは違う部分を次々を刺激してくれて、本当に楽しいし、心地よかったの。


 それにしても、生き生きとしたreiちゃんと話して思ったこと。
 一生懸命な人は素敵。
こんなの手垢のついたフレーズだけど、この言葉は真実。そしてこの意味が、実感として本当に分かりました。色々なことを乗り越えている(或いは、乗り越えようとしている)彼女と会ったら、何だか私も無性に一生懸命になりたくなった。全力で打ち込んで、「私にはこれがある」と胸をはれる物が欲しくなった。そういうものを渇望している自分に気づいた。そういう人は、これだけの影響を人に与えてしまうほどやっぱり素敵なのです。
いつからだろう。思えば私、以前から『一生懸命な人』が好きで、仲のいい友人には必ずそういう人がいるけれど、自分は必ずしもそうではなかったという気がします。小さい頃は結構『頑張りやさんな子』という評価だった気がするけれど。
いつからか、『一生懸命勉強する』『一生懸命部活する』友達をすごいなあ、そこまで打ち込めるなんて羨ましいなあと思いつつ、自分はそうではなかった。なぜかしら。もちろん瞬間的にはそういう時もあったけど、ずっと、ということはなかったと思うの。
何となく、自分をセーブ。自分をセーブすることによって、何からかはわからないけれど、とにかく自分をガード。多分、あまり目立たないように。自分を出さないように。一生懸命やったりして、目立ってしまって、自分が傷つくことがないように。でも斜に構えている私より、開けっぴろげに一生懸命やっている人の方がずっと楽しそうだなあ・・・とは思ってた。
そんな感じで、勉強も一生懸命やるなんてカッコ悪い、とどこかで思っていたのでしょう(若いわ〜 笑) さすがに医学部受験と卒業試験、国家試験の時は頑張ったと思うけれど、本当は入ってからの勉強の方が大事なのに、大学での試験勉強はほどほど。学年で一番になりたい、とかそういう野望は全くなかったし、世の中には自分なんかより頭のいい人は幾らでもいるということが分かっていたし、ゆるいペースでもいいんだ、そしてそれって結構心地いいんだ、と気づいてしまったし、多少手を抜いても追試にはかからないくらいの力加減が分かってしまっていたから。最小の労力で通る、というのがカッコイイと思っていたのですね。今思えば、他に大したことをやっていた訳でもないのだから、必要な時くらいもっとメリハリをつけて勉強していればよかった。(こんな自分の親のような台詞が、私の口から出るなんて!笑)そしてその時は気づいていなかったけれど、私は一生懸命やること自体がカッコ悪いと思っていたのではなく、一生懸命やったのに負ける、とか、認められないことをカッコ悪いと恐れていたのだと思う。そうなりたくないから、負けたくないから、始めから勝負にも出ていなかった、と。ちんけなプライド。その方がよっぽどカッコ悪いよ、と今なら言ってあげられるのに。
それ以来、常に何となくあそびを残すスタンスになっているけれど、いつもどこか自分に満足できていないのもきっと確か。必要とされる事はもちろんきっちりこなしていると思うし、今の仕事に関して言えば手を抜くなんて事はないけれど、でも「私はこれでいい!」となかなか思えない。セーブしがちな自分を知っているせいか、なかなか自分を認めてあげられない。もうそんな必要はないのに。その一方で、やりたいことに少ーし手を伸ばしつつ、それが自然に転がってこないかな・・・なんて甘い期待をしている。

 でも思えば兄やI君、ごく限られた人々のように、元々能力が高い人ならばそんなに努力しなくてどうにかなっても(そういう人がさらに努力する才能もあれば、それはもう素晴らしい人になるでしょう)、私のように平凡な能力しかない平凡な人間は、自分に満足しようと思ったら、一生懸命になる必要があるのです。(一生懸命やるから、満足するのですが。)そして例え結果が伴わなくても、そういう人の方がよっぽど清々しいのです。
いつだって遅いという事はないはず、私ももっと清々しい人になりたい、と、強くそう思いました。自分の仕事は一生懸命に十分値するものとは分かっているけれど、それを踏まえたさらにもう少し行った所に私は行きたいのです。今の状況に特に不満はないけれど、やっぱり自分がそう思っていたことが、reiちゃんのおかげで今回よくわかりました。本当に彼女には感謝!そして、こう思えた自分がいた事にも嬉しい。
 いつもエネルギーに溢れていて、素敵な刺激をたっぷりくれる大好きなYukiさんも書かれていたけれど、その気にさえなれば、できないことって本当にほとんどないと思う。とっても同感でした。確かに今からスーパーモデルになる、とかオリンピックの選手になる、というのは無理だけど(笑)でもなろうと思って努力すれば、今からでも農家にだって、デザイナーにだって、弁護士にだってなれると思う。要はその人自身のやる気と、頑張りと、勇気の問題で。
 
 reiちゃんの放っている火花のおかげで、私の中の何かがチカチカチカっと瞬き始めました。本当にどうもありがとう!あなたは間違いなく、私の自慢の、大切なお友達。唯一の心残りは、しゃべっていて一緒に写真を撮るのを忘れてしまったこと!せっかくバッグにはカメラが入っていたのに〜〜
明日のフライト、どうか気をつけて。無事にあちらに着きますように!