かまくら

 こんなことを日記に書くのもどうなのかわからないけれど、昨日、父方の祖母が亡くなった。実は私にとっては初めての、血のつながった近しい人の死。物心ついた頃にはおじいちゃまは二人ともいなかったので、おじいちゃまというものはいないものなのだと思っていたから。
普段は遠くにいる事さえ気にしていなかったのに、同じ状況でももういないのだということを思ったら、
寂しい
悲しい
おばあちゃまが亡くなったという時分、私は救急当番で全く知らない心肺停止のおばあちゃんの蘇生をしてた。たぶんよくある事だとは思うけれど、なぜか、罪悪感に囚われた。
たまたま先週、会いに行ってきたばかりのところだった。数年前から施設に入っていたので何年も会っていなくて、結婚の報告もまだだったから。もう父のことさえわからなくても、結婚式の時の写真を見せたら「まあ、きれいね。私はどこ?」と頬が緩んだ。相変わらず皺の少ないすべすべした肌にびっくりした。あの日会いに行っておいて本当に良かったと思う。

女手ひとつで男の子3人を育て上げた、気丈な、性格はきつい人だった。母も叔母達も、当人にしかわからない苦労をしたらしい。
決して直接撫ぜたり遊んでくれたりしてくれる訳ではないけれど、孫の私達のことは可愛がってくれていた。
お洒落で、皺の少ないプリプリした肌が自慢だった。愛用のクリームを大事にしていた。70歳を過ぎても、一緒に写真を撮ろうとすると「今日はあたしお化粧してないから嫌よ」と断られたりした。
巨人の大ファンで、試合に勝つと機嫌が良かった。批評は辛口だった。
鎌倉の花火を見に泊まりに行くといつもお赤飯を炊いてくれて、私はそれが大好きだった。
車に酔いやすい私に、いつも自家製の梅干を持たせてくれた。

思い出すのは元気なおばあちゃまと、楽しい事ばかり。大きな病気もせず96歳まで生きたのだから、立派な大往生です!そう思おう。
今週、お別れの礼拝に行ってきます。