道無き道を かきわけ行くのだ

     ・ゾウを見る
     ・遺跡を訪ねる
     ・3食カレーを食べる
     ・アーユルヴェーダを体験する
これは、スリランカに行って私がどうーしてもやりたかったことリストです。上に行くほどより重要です。遺跡は訪れた私達でしたが、最重要項目”ゾウ”はまだ達成していません。と思っていたら、シーギリヤから車で1時間ほどの公園で野生のゾウが見られるとのこと。これは行ってみるしかありません!!
         
 サファリは動物達が水場に移動する夕方よりスタート。このジープに乗って出掛けます☆右はドライバーさん、左はガイドさんをしてくれた方です(お名前は忘れましたので、DさんとGさんと呼ぶことにしますね)。Gさんは耳が聞こえず、話すことができません。その代りに、彼は抜群に素晴らしい目を与えられていました。ジープは何と日本製。三菱の20年物だそうです。スリランカでは本当にたくさんの日本車を見かけましたが20年経ってもまだまだ十分現役ですから、日本車ってやっぱり素晴らしいんじゃない?!
 しばらくは舗装された道を行くのですが、きりりと辺りを見渡していたGさんが声を上げると、ジープは道路を離れ指差された方向へ。教えられて線路の向こう側に目を凝らすと・・・・・いたーー!野生のゾウだ!!
         
これは小さなグループ。私の目の前でゾウが草原の中で生きていて、その息づかい、自分の生命のために草をちぎり取る音が生で聞こえてくるなんて!動物園の中で所在無さげに、落ち着かなさそうに立っているゾウしか見たことがなかった私はとってもとっても不思議な気持ちになりました。「ああ、本当にゾウってこういう所にいるんだあ」って。でも本来は、これがゾウの自然な姿なんですよね。。。ちなみにスリランカのゾウはアジアゾウなので、アフリカゾウより小さめです。こういった線路の近くでは、時々ゾウが電車にはねられる事故も起こるそうです。何だか日本とは全く違って、ピンと来ないようなお話・・。ゾウにとってはとても痛ましいし、電車の方もただでは済まなさそうですね。
         
このゾウ達から離れて道路を横切り、いよいよジープはこれって道なの???という疑問を抱きつつ草原の中ををガンガン進んでいきます。もう1台と連なって、こんな感じ。私も前の方と同じく開いた屋根から顔を出していますが、前後左右に面白いほど揺れます。放り出されないように注意!!ホント、気分はジャングル・クルーズです♪前の車の男の子は一応ガイド役のはずなのですが、あまりキョロキョロもせずじーっと後ろの私達の車を見ていたりしました。おーい、お客さんがいるのでしょう?大丈夫?(笑)
そこにまたGさんの「ミロ!ミロ!」と教えてくれる声。この木には動物が隠れているのですけれど、お分かりになりますか?私はすぐにはわかりませんでした。
              
よーーく見てください。木の幹の、ちょうど写真の真ん中辺りの左側に逆さまにくっついている生き物が見えますか?正解は、カメレオン、です!本当に木に変身しています。すごーいすごーい☆
カメレオンを過ぎてしばらく行くと、またもやゾウのグループに遭遇!こちらは結構大きいです。
         
ご覧になると分かるように、子ゾウもいました!ちびさんは必ず大人達の足の間に隠れるようにしていて、とっても可愛い。守られているんですね。もう少し大きなゾウ(でもまだ子供なのかな?)は、お互いの背中に前足をのっけたりして遊んでいました。あははは。そうそう、ゾウのグループの中では赤ちゃんが生まれるとその母親だけではなく、他に2,3頭の雌も母乳が出るようになるそうですよ。これは母親が体調が悪くなったり、いなくなったりしても赤ちゃんが生きていけるため。うまくできているんですね〜。
          
どのゾウも背中が茶色っぽいのは、自分達で背中に土をかけるためです。こうして病気を防ぐのだとか。赤ちゃんゾウは、自分で土を食べていましたよ。これもまだ消化管が未熟な赤ちゃんゾウにとっては必要なことなのだそう。
          
あ、あ、このグループのボスが来た!ちょっぴり近づき過ぎてしまったようです。ボスはやはり一番大きく、風格がありました。ゾウ達の世界を邪魔しないように、そろそろ立ち去ることにします。

 昔から神様の使いとされたり、神様のモチーフとなって人々から崇められてきたゾウ。野生のゾウを間近で見て、何だかその理由が分かったような気がしました。その圧倒的な大きさ、見れば見るほど不思議な姿、ゆったりとした動き(本気で走ると時速60kmは出るそうですが)、優しそうな眼・・・。ヒトはその姿に、存在に、ひれ伏さずにはいられません。そして、こんな生き物が生きている地球をヒトだけの都合で汚しては絶対にいけないなあ・・・と、しみじみ感じました。生き物大紀行的気分です。
 そして私がもうひとつ感心したのは、ジープの底力!!雨が多い季節で地面がぬかるんでいたりもしたのですが、とにかくローギアで唸り声をあげながら草や枝をずんずんとかき分け、坂道岩道を超えぐいぐい進んでいくジープ。周りをなぎ倒し、自分は自分の行きたい所に行くったら行く。その力強さ、フロンティアスピリットに感服です。(人の場合、こういう人が近くにいるとちょっぴり迷惑かもしれませんが★)こういった目的のためにデザインされているのだから当たり前なのかもしれないですが、本当にジープってすごい!この車は5速(ってあるのかな?)で高速道路をびゅんびゅん走ってなんかいてはダメ!とにかくローギアで猪突猛進して欲しい。そう思いました。
 1時間くらい経った頃、草原の中の岩山に辿り着きました。ここはその頂上です。
          
 お父さんはお客さんと話していますが、またもやよそ見をしている男の子。
草原と山に囲まれたここではキャンプができるそうですが、こんな所で星空を見上げたら宇宙を恐ろしく感じるほどすごいんだろうなー! 本当に、草と風の声、鳥の声しかしないのです。きっと私がひとりでここに置いていかれたら、自分がちゃんと存在しているのかどうか、自信がなくなってしまうと思います。

 約2時間にわたるサファリで、多分私はこの先20年分くらいのゾウに出会いました。30頭は見たんじゃないかしら?残念ながら他の動物はあまり出会えませんでしたが、こんなにゾウを見られて感激☆と同時に、生き物について、この地球について何だか考えさせられてしまいました。。。結論。どちらかと言えば自然には優しくないですが、それでも動物達の世界にこっそりお邪魔できるサファリはとっても楽しいです!!