サファイアの呟き

 基本的に私は人も、仕事も、服や車も、旅も、男性も(笑)多くの事は出会いだと思っています。自分が強く求めて行動していれば、きっとそれに見合ったものに出会う。出会った中でさらに選りすぐられて、影響し合い、私というものが形造られていく。出会い、それは宝石も同じこと。


 スリランカは「ダイヤ以外ならすべての石がある」と名高いくらいの宝石王国です。シナモンのようなガーネット、深い澄んだ海を思わせるブルーサファイア、ミステリアスなムーンストーン、真紅のルビー、他にもトパーズ、トルマリンアメジスト・・・。私も女性ですから、せっかくスリランカに来たのだもの、やっぱり宝石は気になります♪でも全くトレーニングされていないため、自分が宝石を見る目にはこれっぽっちも自信がありません。そこでディナーの前に、品質は確かそうなElephant corridor内の宝石店に行ってみました。

ほの明るい店内で、ガラスケースの中でつんとすまして、自分が最も美しく輝くライトを当てられた宝石たちに私は始め圧倒されました。見ている分には吸い込まれそうに素敵だけれど、これらはまだ30にもならない私が身に付けられる物ではない。そうね、もっと円熟して、宝石の存在より自分の存在の方が確固とした婦人の物だ・・・。そう思った私の雰囲気を察してか、初老の店主はとてもとてもシンプルな、深い海の雫ような一粒のブルーサファイアを見せてくれました。1cm強ほどのペンダントトップです。
これなら、若い女性でも抵抗がないのでは・・・。とにかくブルーサファイアスリランカが世界1だから、いい物を持っておくのは絶対にお薦めだよ・・・。
宝石でなければとっても可愛くて、私の雰囲気、首とのバランスにも合ったペンダントトップがあったのですが、それはカラーストーンでした。「せっかくだから宝石はぜひとも欲しい!でも似合わないものを持つのは納得がいかない・・。」これって他人から見たらどうでもいいことですが、私にとってはかなり切実な悩みなのです(笑)迷いに迷って、私はとにかく一晩考えることにしました。

翌日、「似合わなくてもせっかくだからサファイアを買おうかな。そのうち似合うかもしれないし☆」なんてあっさりと物欲に流されて店を訪れた私は、もう1度サファイアを身に付けさせてもらいました。
でも・・・・あああ、ダメ。
鏡の中で私の鎖骨の間で静かに青い光をたたえるサファイアは、しんと押し黙っていて私に何も語りかけてはくれませんでした。やっぱり、これはまだ私が持つべきものではないんだ・・・。私ははっきりそう感じました。
店主に「これはとっても素敵だけど、私にはこれを付けることができません。」と伝えると、今度はもう少し小振りな、華奢なデザインのルビーを見せてくれました。ルビーは私の誕生石。当初の目的とは違うけど、せっかくだしこれならいいかも・・・と期待したのですが、やっぱりルビーも何だかしっくりと来ませんでした。これは出会いではない。私の直感がそう囁いていました。
というわけで、感覚を信じて生きている私は、今回宝石への未練はさっぱり諦めました!感覚に逆らって、曖昧な気持ちで手に入れてもいい気分ではありませんから。そして結局私が購入したのはこちら。前日私の目を引いていた、カラーストーンのトップです。
       
このチョーカーは反面がゴールド、反面がシルバーというちょっと不思議な作り。長さ、角度も私にぴったりで、色々と合わせられるので便利です♪
今回は私はまだ、宝石との出会いはありませんでした。ちょっぴり残念でしたけれど、私にはまだまだ宝石は似合わないということなのでしょうね。そのうち私がもっと円熟して深みのある宝石が似合う女性になれば、おのずと私に饒舌に語りかけてくれる宝石に出会えるだろうと信じています。
それはいつのことなのか。その宝石は何なのか。
これからの自分と、その出会いが楽しみです♪♪