Slow medicine

 気がつけばもう12月ですね!しかしスリランカ話はまだ続くのでした・・・あしからず(笑)

 シーギリアからワドゥワへ行く道すがら、「あんまり興味ないからいいよいいよ」と再三言っているにも関わらず、「ここは絶対面白いから!」と車はキャンディの近くのハーバルガーデンでやや強引に途中休憩しました。本心ではハーブって結構興味はあるのですが(日本でも最近流行っていますよね)、勝手に連れて行かれる所は嫌だったんです。しかし来てしまったとあらば仕方ありません。せっかくなのでハーブの木でも見ていくことにしましょうか!

 私達が立ち寄った所は小さなハーバルガーデンでしたが、まず熱々のカカオの飲み物がサーブされ、ガイドのお兄さんが所々に植えてある木や草について説明してくれました。「これがサンダルウッド。これは歯痛や中耳炎などの炎症に効きます。使い方はこうやって歯で噛んで・・・(詳細は忘れました)これはシナモンの木・・・」といった具合。名前を聞いたことはあってオイルも知っているけれど、植物そのものを見るのは生まれて初めてだったのでこれは意外と楽しかったです♪お兄さんもかなりハーブについては勉強しているらしく、説明も簡潔でわかりやすい。こちらの質問にもちゃんと答えてくれます。そしてここでは、ハーブを使ったマッサージの実演をしてくれるとのこと。始めは何となく遠慮していたのですが、もともとマッサージは大好き♪♪ なので、じゃあせっかくだから・・・とお願いすることにしました。
   
     こちらのオイルなどを使います。結構種類はいっぱい!
この日、私は二日酔いで頭がズキズキしていました。車の中でも起き上がれずにゾンビ状態で、ガイド役のおじさんに笑われたくらい(おじさんは「よくやった!」と笑うけど、私はホントにツライのよ・・・)そこで今日は頭が痛いんだけど・・・と言うと、早速頭痛に効くというハーブ(何かは忘れました)を使ってマッサージを開始。ハーブのオイルをタイガーバームでのばして、頭皮全体を揉み解してくれました。
        
 このボサボサ頭が私・・・。この姿を見てお兄さん曰く「you look very nice」と(笑)
さてこの効果は、というと、少ーし良くなったような気がする?という程度。でもこういったものに即効性は求めていないので、全然問題なしです。それよりもこれ以後、1日中髪からタイガーバームの匂いがするのに参りました★

 ところでこのお兄さん、とてもスマートで感じも良いのですが、私達の職業が分かったとたんにハーブの話は脇に置いて、自分の健康相談が始まってしまいました・・・。
彼は数年前にバイクで事故をして腰を痛めてしまい、以来腰痛に苦しんでいるそうです。何度も病院で検査してもらったけれど特に問題はないと言われる。でも本人は辛くて運動はもちろん、自転車に乗ることもできない。これはどうにかならないのか。周りには自分の辛さがわかってもらえず、怠けていると思われるのも辛い、と・・。ドイツ語もできる彼は津波の際にドイツ人のドクターの通訳として働き、そこでそのドクターにカイロプラクティックをやってもらって3、4ヶ月は調子が良くなったのでとても喜んでいたのに、もうそのドクターが帰っていなくなってしまったので困っている。(スリランカにはカイロプラクティックはないらしいです)自分の得意なハーブも試したけれど効かない。世の中にはお酒も煙草も沢山やってピンピンしている奴らが幾らでもいるというのに、健康的な生活を送っている自分がなぜこんな目に会わなければならないのか・・・ 

彼の自分の悲運を嘆く話を(半ば流し気味に)聞きながら、こういう「明らかな異常はないけれど、本人は調子が悪い」という人は外来で沢山いるな、と思いました。鎮痛剤でどう、という問題ではないんですよね。こういう方にはやっぱり西洋医学より、漢方なりアーユルヴェーダ(スリランカでは一般的!)なりがいいのかな、と思ってしまいます。スローフード、ならぬスローメディスン。きちんと勉強したことはないので自信を持っては言えませんが、私自身も漢方を飲まされてアトピーが良くなった経験はあります。(味は、親が恨めしくなるほど激烈に不味かった!!)
植物の力、とか自分の体のバランスを整えてあげて自己治癒力を高める、という効果は確かにある程度は信頼できるのではないかしら。そのうちちゃんと勉強して、西洋医学とうまく使い分けられるようになるといいな、なんて思ったハーバルガーデンでした。