彼女が靴を選ぶ時

 少し前ですが、"In Her Shoes"という映画を観ました。弁護士をしていて頭はスマートだけれど外見にコンプレックスがある姉と、頭は悪いと言われて続けているけれど外見はゴージャスな妹のお話。あまり期待しないで観たのですが・・・とっても良かった!!私は泣きはしませんでしたが、久しぶりに映画を観て心がぽかぽか暖かくなりました。
       
 前半の、キャメロン扮するマギーのあばずれっぷりは笑ってしまうくらいお見事。キャメロン、キュートで大好きなんです♪お肌を見ると年取ったな〜と思うし、濃いメークをしていると怖い顔。。。なのですが、それでもやっぱりキュート☆そしてこの信じられないくらい抜群のスタイルは健在です。すごい!!ファッションも冬のロングマフラーぐるぐるスタイルから、真夏のフロリダ水着スタイルまで見ていて楽しいですよ♪何を着てもキュートに見えるのは、やっぱり着る人によるところでしょうか。
       
外見に自信のない姉のローズは、自分に何か買う度に靴を買っています。「食べ物だと太るし、服だと似合わなくなったり・・。でも靴なら、いつでもぴったり」というわけ。なので彼女のクローゼットは、ジミー・チュウやマノロの素敵な靴がこんなにぎっしり。でもほとんど履かれることはありません。この辺の気持ちって、女性なら何となくわかりますよね?私もすごく納得してしまいました(笑)
       
 私が1番好きだったのはこのシーン。なんだかんだとあって事務所をやめたローズが、犬の散歩をしながらかつて毎日通ったであろう裁判所に駆け上がって、「yeahーー」と叫んでいるところです!今まで仕事によって自分の存在価値を確立しようとしてきた彼女が仕事を辞めて(それってものすごく勇気がいることだと思う!)、彼女に思いを寄せる男性の存在もあって、仕事を辞めても彼女が自分自身を認めてあげられた感じ。一緒にイエーイ!!って叫びたくなりました!
       
 そして忘れられないのが、マギーがこの元教授に一生懸命詩を読んで「A+。君は賢いね」と褒められるシーン。この時の嬉しさいっぱいのマギーが可愛くて可愛くて!小さい頃からずっと周りから馬鹿だと言われ続けて、きっと自分でもそうだと思わざるを得なくなっていたマギーは、彼に認めてもらうことによってやっと自分に自信が持てるようになったのでしょう。これは今までみたいに外見しか褒められないより、彼女にとって何倍も何百倍も嬉しかったに違いない!最後のシーンにもつながるのですが、もっと原文で詩がわかればなあ・・・と自分の英語力の無さが残念でした。詩が分かれば、その方がさらに面白いと思います!
       
 後半で作品にさらに生命力を与えているのが、シャーリー・マクレーンを始めとしたリタイアした老人達。彼らもとっーても素敵です。歳をとるっていうことは、賢くなっていくことなのね。彼らの前では若者の虚勢も、自信のなさもすべてお見通し。なおそれを知っていてそのまま受け止めてくれる存在である・・・というところに、胸が揺さぶられました。
 人ってきっとみんなどこかで自分を認めてあげたいと願っていて、でもなかなかそうなれなくて(私だって思いっきりそう!)、だから認めてくれる人の存在というのはとても大切だし、楽に呼吸をして生きていく上で必要なんだと思いました。自分を認めてあげられていないと、いくらローズのように山のように素敵な靴を持っていても、自分にぴったりした靴はいつまでたっても見つけられない。
 私は兄弟しかいないからわからないですが、姉妹のいる方が観たらまた感じるところがあるのではないかしら。姉妹と言えど「やっぱり女同士だとこんなこともある訳?!勘弁して!!」と思う所はあったのですが。。。どうなのでしょ?

 そうそう、私は始めこの作品の題名"In her shes"の意味がわからなかったのですが、”彼女の立場に立って”とかそういう意味なのですね。ローズの靴と掛かっているんですね。って今更ですが(笑)
確かに靴は、女性にとって大きな意味があることがある・・・と思い出したこともあるのですが、長くなるのでまた今度にします☆まだやっているのか知りませんが、何か映画を観ようかなーという時に、ぜひこの作品のことも思い出して下さいね!