囲炉裏のある時間

 「うちに囲炉裏を作るから、寒くなったらぜひ一緒に囲炉裏を囲みたいんだよね。」 夏に一緒にキャンプをしたK君が、ある日電話でこう言ったのです。作る?囲炉裏を??自分の家に??K君達、引っ越したとは言え横浜のアパートメントじゃなかったっけ???何のことやらさっぱりわからないまま、年末に2報が入ります。
「いいよ〜。囲炉裏はスローな時間が流れるよ。早くおいでよ〜。二人も絶対気に入ると思うよ〜。」
K君達のやることですもの、素敵なことに決まってる。囲炉裏って一体どういうことなのかも興味津々!というわけで、新年私の実家に挨拶をした日の夜は、K君&Kちゃんの家で囲炉裏を囲んで新年会となったのでした。木造平屋建ての彼らのアパートがある敷地の入口には、目印である彼らの愛バイク?、ハーレーが変わらず迎えてくれていました。
              
   これが、噂の囲炉裏!と、Kちゃんお手製の目にも口にも美しいおせち料理
ちょっとちょっと、これが普通のおうちの光景なんて信じられない!何これーすごいよ!!素敵過ぎ!!としばらく興奮してしまいました☆だって本当に素敵なんだもの!K君達にはびっくりさせられる事が多いのですが、これでまたひとつ増えちゃった☆
この写真だとわかりづらいのですが、囲炉裏って床に掘る物かと思っていたら、囲炉裏のついた座卓でした。これはK君がどうーしても欲しくて、注文して桐で作ってもらったんですって!真ん中がくぼんでいてそこで灰を敷いて炭火を焚くことができ、火を使わない時はここに蓋をして普通のテーブルにもなります。木目をなぞれる桐の手触りが心地よく、古い木造のアパートに妙にしっくりとマッチしていました☆写真を撮ると炭火が青くなってしまうのですが、実際目で見えるのは暖かいオレンジ色です。これだけでも、炭火って本当に暖かいんですよ!顔だけポーッと熱くなってしまうくらい。そして周りは骨のように白いのに、内側は明るい煉瓦色に染まり、脈打つようにじわりじわりと揺らぎ続ける炭は、見ていると吸い込まれそうに綺麗。いつまで見ていても飽きません。。。 
余談ですが、この囲炉裏に敷いている灰は東北地方産、など色々種類があって意外と高いのだそう。使い出せば段々灰は溜まるはずですが、始めは用意しないといけないのですね。ここまでこだわったからには、K君達はいい灰を敷いているそうですよ。(何がどう違うのか、見比べていない私達にはわかりませんが 笑)そして木炭を焚いて家中煙だらけになったりという試行錯誤の結果、炭はやっぱり備長炭が一番!という結論に達したそうです。この日ももちろん、備長炭。       
Kちゃんがシャンパン大・大好きなので、彼らに会う時はいつもシャンパンをお土産にします。今回はポメリーのシャンパンで新年のご挨拶。私はそんなに飲めないのですが(そのくせ飲むのは好きですが)、心から大切にし、尊敬している友人と一緒に飲むお酒はやっぱり格別です♪
           
彼らとは結婚式以来ですが、その時はゆっくり話す時間がなかったのでお互いの近況を話しつつ、Kちゃんが豆乳のお鍋をご馳走してくれました。こんな感じで炭火で煮るお鍋は、もう最高!!お鍋も囲炉裏で使いたいがために、あえてお手入れにちょっと手間のかかる南部鉄器にしたそうです。そしてやっぱり桐の鍋蓋を。こういうのって、すごく良くわかる!!そうそう、ここでそこら辺のお鍋を使うようじゃせっかくの囲炉裏も雰囲気も台無しだものね!さすがです♪
K君達とはいつも半年に1回くらいのペースで会うのですが、いつも何かしら変化をしていて、将来やりたいことのために常に常に停滞することのない姿勢は、毎回とっても刺激を与えてくれます。やりたいことは途中で何度も方向を変えたりしているのですが(でも軸はいつも同じ。アプローチの方法やポジショニングを、自分達に一番良いように探りながら変えているだけ・・)、将来に向ける気持ち、そのために今を一生懸命生きる気持ちはいつも同じ!私はそんな彼らにいつも何だか感動し、刺激を手からこぼれそうになるほどもらい、気づくと何も考えずに緩い速度で自動走行しそうになる自分が恥ずかしくなります。以前は敏腕営業マンだったのにそれを辞め、自分のやりたい将来のために新聞配達したり、奨学金をとって働きつつ、必要と感じれば何度でも大学に入ってやりたい勉強をするK君。自分では「俺って本当にダサい」と言うけれど、K君は全然ダサくないよ!本当は人と接するサービス業がとっても似合うのに、K君を支えて同じ将来を目指すために、ペイのいい電話でのクレーム受け係りを続けているKちゃん。いつも会ったこともない人の文句を聞かなければいけないのに、「勉強になることも多いよ」と言えるKちゃんが眩しいよ。いつも本当にありがとう!!

今回Kちゃんの豆乳鍋は手作り湯葉から始まり、豆乳での湯豆腐、そしてにがりを入れてそれもお豆腐に・・・と豆腐尽くしでした!最後のお豆腐は翌日もお腹いっぱいで、結局食べられなかったのですが、年末年始でお疲れ気味の胃には、お豆腐はとっても嬉しい☆そしてその後はお水を一切使わない、水菜とお揚げと豚肉のシンプルなのに絶品お鍋!!これは簡単なのにとーーっても美味しくてびっくりでした☆絶品レシピを教えてくれたので、絶対にうちでも作ってみるつもりです。美味しくできたらまた書きますねー。
           
 こちらはこの家の末っ子、パグのテンボ君です。テンボとはスワヒリ語で”ゾウ"。(彼らはわざわざケニアにゾウを見に行ってしまうくらいゾウ好きなのです!)幸せそうな顔なのですが・・・仲間をかじっちゃ可哀想よ!

囲炉裏のある時間は本当にスローに流れて、時には周りを押し流すように、時にはポツリ、ポツリと雫が落ちるように心地よい空間に言葉が放たれ、吸い込まれ、気づくと3時近くになっていました。ああ、お腹も心もゆったりと満ち足りて眠りにつくこの幸福感!!ただしその後、お布団にテンボの鼻先が突っ込まれたり体に乗られたりして何度か目が覚めるのですが・・・(笑)

K君、Kちゃんのおかげで良いお正月を迎えることができました。まだうまくまとまらないけれど、私もちゃんと自分の頭を使って考えなきゃね。。。今年もどうぞよろしくね。K君が「皆で一緒に年をとっていくのは楽しいなー☆」と言っていたけれど、本当にその通り!一緒に年を重ねていきましょうね!