Yちゃんの80年

 生後1ヶ月になるYちゃんは、生まれつき片方の腎臓しか機能していません。片腎だけなら特に困ることはないのですが、Yちゃんの場合残った腎臓にも少し問題があります。それでも今Yちゃんはミルクを良く飲み、時々可愛い笑顔も見せてくれて元気です。
お母さんはもちろん、ちょっとしたことでも心配でたまりません。元々診てもらっている病院でしっかりムンテラされているからかもしれません。たくさんこちらに質問を投げかけ、お話をする度にすぐにポロポロと涙を溢し、「でも私がしっかりしないと」と、しばらくするとまた真っ直ぐに顔を上げようとしています。心配でたまらない気持ちと、強いお母さんにならなくちゃ、という気持ちがごちゃ混ぜになっています。お母さんだって急に母親になれる訳ではないのに・・・と、私はまだ若いそんなお母さんを心底尊敬しつつ、何とか少しでも支えになれたら・・・と思っています。

 Yちゃんはこの先、どうなっていくのだろう・・・。
 まだまだ人生は始まったばかり。この先80年の人生が待っているというのに、Yちゃんの腎臓は頑張れるんだろうか・・・。

もちろん今の時代、色々な治療法があります。生きていることが一番、とは思いつつ、でもやっぱりまだ小さい小さいYちゃんには、できるだけそれは先になって欲しい・・・・と思うのです。私はお母さんを励ましつつ、でも勉強をすればするほど自分の無力さを目の前に突きつけられ、思い知らされます。私は弱っちい人間だから、Yちゃんのこれからを思った時本当ならお母さんと一緒になって泣いてしまいたい。そう思う時もあります。そんなことしても意味がないとしても、メソメソしてしまいたい    。。。この白衣さえなければ。 
でもこの先がどうなろうと、私は今自分に求められていること、今自分ができることをとにかく一生懸命やるしかない。そうとも思っています。例え時には、見かけだけだとしても、お母さん以上に顔を上げて。Yちゃんの調子を悪くしないこと。ちょっとした変化にも、すぐに気づいてあげられること。まだ、このままいける可能性だってゼロではないのだから。
無力なのは承知だけど、私が絶対に諦めないこと。それがとにかく大事と思って、寄り添っていこうと思います・・(先輩方、これでいいんでしょうか。。。?)