横を見れば

 先日、高校・予備校時代からの友人のSちゃんとTちゃんと会いました。

浪人時代ってまず「大学落ちた。。。。」という敗北感から始まり自分の存在が社会からはじき出されているみたいで辛かったのですが、同時に何にも縛られなくてすごく自由でもあった。同じ目標を持っている友人とずーーーっとお互いに自分の事、将来の事などを話し合ったり。勉強もしたけれどそれ以上に遊んでいた気もするし(親には内緒ね!)、浪人時代ってそれはそれで貴重な時間でした。だから私は「浪人してよかった!」と今は思うのです。(まあ結果オーライで、浪人が決まった時はそうは思えなかったけど★)でもこういう事を大学で言うと現役生には「浪人したヤツはそのことが悔しいからそう言ってるだけなんだろう(=負け犬の遠吠えだろ)」なんて言う人もいたなあ。まあ私は「浪人できなかったから羨ましいんでしょ〜」なんて思っただけなのでいいのですが。笑  
若いうちから何の失敗もなくスイスイ行くより、例え受験程度でも何かしら挫折感を知っておいた方がいい、というのが今の私の考え方。ぶつかって砕けてその時は辛いけれど色々と考える機会になるし、弱者の立場を知ることができたりするし、絶対自分を成長させてくれるから。後から思えば、そういった人生の方が楽しいと私は思うし。結果論ですけどね。
そういう訳で、浪人時代を一緒に過ごした友人とは今でも繋がりが強く、大切な人が多いのです。高校も一緒だったSちゃんは今は産婦人科医、Tちゃんは外科研修医をしています。お互いなかなか時間を合わせられなかったけれど、今はTちゃんが麻酔ローテなので久々に揃って会えました!
11月が誕生日のSちゃんにはTちゃんからは小さな十字架のピアス、私からは大好きなディプティークのキャンドルとクリスマスのオーナメントをプレゼント。彼女とは卒業旅行ですっごく思いで深い屋久島二人旅行をしたので、”ムース(苔)”というキャンドルを見つけて即座にそれにしました!屋久島の苔の美しさは今でも忘れられません〜

 いつも会えばひたすらおしゃべりして、大笑いしている私達。くだらない話や男運の話になったり色々ですが、自然と仕事の話にも。その時Sちゃんが
「私産婦人科の仕事が好きで楽しくて、本当にこれをやっててよかった〜、って思うんだ!」
と言いきっていたのがすごく印象的でした。彼女は今子宮脱が面白いらしく、「これは婦人科にしかできないしね。こんなに面白いんだよ!」とVTH(膣から子宮を取り出すオペの術式)の素晴らしさについて目を輝かせて語っていました!
VTHが面白いかどうかというマニアックな好みは別として(笑)、でもその時のSちゃんはしっかり”仕事をしている女性”の顔になっていて、こちらはびっくりするとともに「お〜、Sちゃんカッコイイじゃないか!」とわが友達ながら惚れ惚れしてしまいました。
これは間違いなくSちゃんが積み上げてきたもの。「なかなか進歩している気がしないよね・・・」と言いつつも、一生懸命仕事をして少しずつでも経験を積んでいれば、こうやってはっきり外側にも表れてくるんだ!と私は感動すら覚えました。そうやってきているSちゃんを尊敬するとともに、自分は果たしてどうなのかなあ・・・なんて自信がなくなったりして。でもとっても清々しい気分になったよ。Sちゃん、どうもありがとう!!
オペ件数がとにかく多い病院にいるTちゃんも「外科にいる時は夜の12時前に帰れればラッキーだよー」と言いつつ、楽しくやっているみたいでした。相変わらずタフだねあなたも!私の同級生も多い病院なので、彼らの近況を聞くのも面白かった。

 私は落ち込んで下を向いてしまう時、なかなか前を向けなくなったりします。その間はつまらないことでもイライラしたり、しょうもないミスをしたり、近い人に八つ当たりしてしまったり・・・。
でも下しか向けない時も少しだけ首の角度を変えて横を見れば、そこには同じように悩んだり頑張ったりして一緒に歩いている気のおけない友人がいる。そう気づくだけでも元気が出るんじゃないかな。
私もSちゃんやTちゃんと一緒に、少しずつでも進んで行けるように頑張るよ。そう気づかせてくれた、素晴らしい日だった。