日々の糧


 ここ最近、1週間に2日のペースで市場へ買出しに行っています。

ここに来た時に一番戸惑ったのは買い物でした。
アパートメントの敷地にスーパーの小さな支店はついているけれど、高めなのと品揃え的にもとてもそこだけで済ませようと思えるような感じではないし、少し行けばスーパーはあるけれど生鮮ものが少なかったり。やっぱりお魚が食べたくなるのだけど冷凍(しかもサーモンと、basaというよくわからないお魚・・・。鯖の間違いだと信じていたけれど、味は明らかに違いました★)しかなかったり、お魚を売っているスーパーではまだ水槽の中で泳いでいたり、魚丸ごと1匹がどーんと積まれていて、私の家事能力では完全にお手上げ状態だったり・・・。他の方々に「お魚とかどうしてるの?」と聞くと、だいたい「メイドさんに頼んでいるから。」という意見が多かったり。うーーむ、メイドさんかあ・・・。

そう言っている間にも子供にはちゃんとご飯を食べさせたいから、毎日食料調達のために奔走している感じでした。そのおかげで、日本にいる時よりも食べ物を大切に思うようになりました。日本ではもっと楽だったけどそれが当たり前だったから、食べ物に感謝する気持ちも薄かったかも。


それにしても、せっかく日本では有数の漁港の町(の隣の町)に住んでいたのだから、もっと魚修行をしてくるんだった・・・とあんぐり口を開けて並んでいる魚たちを見て激しく後悔する日々でした。でも、ね、仕方がないさ。冷凍サーモンばかりも何だし、basaは川魚みたいで私は美味しくできなかったし、自分で捌こうという気にはなれないしで困っていたら、Mさんが「市場行った?!市場なら処理してくれるよ!」と1回一緒に連れて行ってくれました!やったー(^^)


喜んで来てはみたものの、そこでもやっぱりずらっと並んだ魚(しかも何だか大きいのが多い。。)とまず目を合わさなければいけないのがグロテスクで、情けなくも私は力なく「うわあスゴイ」なんて言ったりしていました。でもとにかくトライしないと埒があかないし、Mさんの頼もしくテキパキした様子を見て、ここでやっていくためにはいつかはこうならねば!!と心に誓ったのです。

無造作に並んだ魚がいったい何なのかさっぱりわからないけれど、確かに市場ではお願いすると(言葉ができないので、もちろんジェスチャーです!)ちゃんと処理をしてくれるので、それは本当にありがたくて、しかも色々な種類のお魚がいるのも、なんだか嬉しくなりました。ちなみに処理してくれている包丁などを、「これは洗っているの?このまな板は??」というような目で見てはいけません。笑
その日はとりあえずMさんに習ってスズキを買ってみました。スズキってこんなに大きいものなんだあ。切り身しか知らなかったからなあ。30cmくらいはあったような。


新鮮な魚が買えたのは嬉しかったけれど、私はどうも魚の顔が苦手なので、家ではとにかく目を合わさないように気をつけつつその日はソテーにしてみました。私はその魚が生きている姿のままからのお付き合いなので、食卓に並べる頃には何やらもうげんなりしていたのだけど、I君にはとても好評だったのできっとやっぱり美味しかったのだと思う。それにしてもやっぱり、そのままの姿から知っていると「他の命を食べている」という感じがして、お魚に対しても「おいしく料理して、無駄にせず大切に食べなくちゃ。」と思いますね。
またあの顔と対面するところからやるのかあ・・・と思うとちょっと気が重かったけど、でもお魚の他にも野菜もピンとしているし、何よりやっぱり市場自体が楽しいのと、一緒に行く同志(初心者の私には本当に有難いです♪)がいてくれたので、それ以来市場通いをしています。



 という訳で、昨日もYさんと一緒に行ってきました!ちなみにYさんは私より1ヶ月早くこちらにいらして、やっぱり買い物にお困りだったという、初心者コンビです。

私達が行っているのは、ガイドブックにも必ず載っているベンタン市場。メイドさん達にしてみればベンタンは高いし、観光客向けで、「マダムどうしてベンタンなんか行くの?」という感じらしいのですが、ベトナム語もできないしローカルの市場も知らない私達ビギナーにとっては丁度いいのさ。うちからはやや遠いけれど、行きやすい場所だし。例えいいカモだと思われていてもさ。ええ。
それにしても、5年前に旅行でベトナムに来た時はお土産物をここに探しに来たのですが、まさか自分がそこへ日々の食料の買出しに来るようになるとは夢にも思わなかった・・・。でも確かに観光客向けでもあるけれど、それでも野菜や魚なんかはスーパーよりもいいかな、と思っています。

               
毎回寄る果物屋さん。
さすがにフルーツはどれも美味しくて、そして種類がいっぱいある!!りんごや柿、小さなみかんや梨、スイカや苺などお馴染みのものもあるし、マンゴーやブイ?、ドラゴンフルーツなど南国らしいものもたくさん。日本だったらそれぞれの季節がありそうな果物が一気に揃っているのが不思議です。
昨日は今がシーズンらしいライチと、皆が美味しいと言うマンゴスチンを買ってきました。
       

ライチは枝ごと1kgくらい。L君はライチが大好きで、おやつや夕食後に「ラーチー」と言ってパクパク食べるのですぐになくなっちゃいます。私もここで初めてフレッシュなライチを食べたのですが、その品のいい甘さと、ポタポタ果汁が滴るくらいのジューシーさに感動しました!マンゴスチンも固そうな見た目とは裏腹に、ごくごく控えめな桃のような?感じでとっても美味しかったです♪あ〜果物好きには最高(^^)どちらもここでは1kg3万ドン(165円くらい)でした。

       
お魚はアジ(流線型の魚を以前買ってみて、食べてみたらアジと判明した)と、あと貝を買ってきました。
段々コツを得てきて、処理の時に「首も切って!」と取ってもらうようにしたので、苦手な魚の顔問題は解決です。笑   貝も何貝かよくわからないけれど、蛤サイズでスープやパスタに使うと美味しい出汁がたっぷり出るので、けっこう愛用しています。全然砂もないし。
Yさんはとても偉くて、インターネットから魚の写真と英語名を探してそれを持ってきたり、魚の名前をベトナム語で探してきて下さっています。これを毎回続けていれば、きっとそのうち並んでいる魚の種類がわかってくる!!・・・はずよね?

お肉は屋外で吊るされているので、まだ買う勇気がありません。でもインドからいらした方は、「ここは蝿もいないし新鮮そう。お肉きれいよ〜」と言っていたので、自分の中の既成概念を取り払えば別に問題ないのかもしれません。

野菜も買ってくるのですが、さすがにずいぶん安いと思っています。ジャガイモ4個、人参3本、レタスと名前のわからないハーブ一掴みと、小さめの大根を買って3万ドンくらいだったかな?ローカルではもっと安いのかもしれませんが・・。ちなみにこちらでも大根やサトイモのような芋、蓮根などお馴染みの野菜がよく売っているので、野菜では全然困っていません☆


あとは服を仕立てる生地のお店(シルクもどっさり!)や、ちょっとした小物を入れられる籠などを売るお店、乾物屋、コーヒー豆屋、調味料のお店、麺ばかり売っているお店、米屋、キノコ屋、お芋屋、お豆腐屋(パックのものも厚揚げもあって大助かり!ただし屋外においてあって、日本のお豆腐屋さんが見たら怒りそうです)、服屋、靴屋、アクセサリー屋、帽子屋、かばん屋(普通のものもあるし、和装にも合いそうな籠ものも多いし、プラスチックを編んだバッグはすごく可愛くて便利♪)、食器屋、雑貨屋、小さな食堂エリア・・・・質を問わなければ、本当に何でもあります!この中を見ているだけでもかなり楽しい♪ お店がぎっしり並んでいて場所を覚えるのが一苦労だけど、これからも通うと思います。

       
そうそう、当然スリなどにはやっぱり注意です。一緒に通っているYさんは、コーヒー豆屋のおばちゃんに「あなたカバン開いてる。気をつけなさい。」と注意されてましたっけ。笑